【5】大学生協の経営分析
そもそも協同組合は、普通の企業(民間企業、公的企業)とも、異なる組織です。普通の企業では、顧客やユーザーは経営には直接参加できませんし参加しません。顧客やユーザーの意見を無視しては企業経営は成り立ちませんが、どの意見を採用するかはあくまでも企業経営者の判断(形式的には出資者である株主の判断)です。協同組合は、顧客・ユーザーが組合員として出資し、組合員が事業運営に参加する組織です。この点に、普通の企業と比べたときの、協同組合の強みと弱みがあります。強みは、直接、顧客やユーザーのさまざまな意見やアイデアを聞き、事業運営や商品開発に取り入れることができるという点です。強い消費者生協は、多少高価格でも安全な食品やユーザーのニーズに答える商品を提供することで、普通のスーパーマーケット企業との激しい競争の中で生き残っています。残念ながら、大学生協も、消費者生協も、普通のスーパーマーケット企業とあまり変わらない事業運営に徐々になりつつあるということは残念なことです。協同組合が上記の強みを失えば、普通の企業によって淘汰されてしまうことは明白です。上記の強みを活かすための経営改革が求められています。



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