第14回 キリンビールの製品戦略
報告では、キリンビールの、発泡酒と第三のビールを重視する戦略を事例にして、戦略決定の際に考慮すべき5つの諸要素が示されました。顧客、市場動向、ライバル会社、企業風土、ノウハウの5つです。このこと自体にはおそらく異論はないでしょう。ただ、キリンのシェアの上昇だけから、発泡酒と第三のビールへのシフトを、適切な戦略であると評価することはできないと思います。発泡酒なども含めたビールの出荷量は減り続けていますし、安価な製品の割合が増えているわけですから当然売上は出荷量よりも急速に減っています。キリンの戦略については、顧客の安値志向に迎合して、市場全体の縮小を引き起こしているという評価もありえます。様々なデータを参照したうえで、総合的な評価を行うように心がけてください。



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