第4回 競争戦略
 今日の3つの報告の要点は「競争戦略を規定する内部諸条件と外部諸条件」「差別化戦略における知的財産管理の重要性」「知的資産の多様な側面」でした。この3つの論点はつながっていて、現代の競争戦略の中心的なテーマです。その意味で、今日の報告は、重要な問題に焦点をあわせた、まとまりのある報告であると思いました。
 ポーターの分類での価格戦略(コスト・リーダーシップ)と差別化戦略という区分で考えると、日本企業にとっては差別化戦略の方が重要であると思います。先進国である日本の企業が、途上国の企業と低価格で競争することは、途上国の発展にとっても、日本の発展にとっても望ましいことではないからです。
 そして差別化戦略の鍵を握るのが、技術であり、広く言えば、今日の3つめの報告でリストアップされた様々な知的資本です。今日ケーススタディでとりあげられたRCAのテレビ技術は失敗の事例で、キャノンの光学、機械、電子技術は成功の事例です。なぜ、失敗したか、成功したかは、1つめの報告で列挙された内部諸条件と外部諸条件に依存します。どういう諸条件が、RCAを失敗に導き、キャノンを成功に導いたかを考えてみましょう。



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