第5回 小売業の国際化
「標準化」「適応化」というキーワードを使った理論的説明と、ケーススタディとで構成されていました。両方ともよく調べられており、説得力のある説明でよかったと思います。また、消費者の小売業に関する選好が、アメリカ、日本、中国という国によってかなり異なることも、事例を通じて詳しく説明されました。消費者の行動や慣行は、その国独自の歴史や制度に依存して、多様であり、かなりの持続性を持っています。このことは「慣性」や「経路依存性」と呼ばれます。
貿易や海外投資の増加というグローバル化は進行していきます。それは各国の多様性がなくなって一様化するという面も「標準化」というかたちで一部では起きますが、今日の報告で説明されたような「適応化」という現象を通じて、多様性が深まるという側面も一部では起こります。今日の報告は、この両面を、うまく説明しておりたいへんおもしろいと思いました。



京都大学経済学部宇仁ゼミホームページにて更に多くの記事を読むことができます
http://uniseminar.sakura.ne.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
http://uniseminar.sakura.ne.jp/modules/sections/index.php?op=viewarticle&artid=44