第7回 CRM
蔵本さんの報告で指摘されたように、CRMはかなりの費用を必要とするので、費用対効果を見極めることが重要です。効果としては、売上げや利益の増加への寄与が第一に挙げられますが、CRMの第二の効果としてはコスト削減も挙げられます。森下さんが説明した多くのケースの中には、コスト削減をもたらすCRMの例がいくつかありました。
たとえば、シャープでは、サポートセンターへの問い合わせの多い商品については社内向けに注意喚起したり、その商品を生産した事業部から料金(罰金)を徴収しています。これは、明らかに不良品を生産段階で減らすことによって、コスト削減を図るためでしょう。
また、ANAのネット予約、携帯電話予約によるチケットレス化も、チケット発券に関わる人件費や旅行代理店手数料の削減をもたらします。
ネット予約、携帯電話予約によるチケットレス化は、今後、鉄道やコンサートなど様々なサービスに広がっていくと思います。航空会社や鉄道会社にとってはコスト削減となりますが、その一部は利用者側の負担増(ネット通信料金や携帯電話料金)となっていることにも注意する必要があるでしょう。したがって、コスト削減分のかなりは価格引き下げとして利用者に還元すべきであると思います(現在のようなネット予約利用促進のためにごくわずかの割引にとどまらず)。




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