第13回 競争戦略
 今日のテーマは競争戦略とくに、オープンアーキテクチャ戦略とクローズド戦略との比較でした。オープンアーキテクチャ戦略とは、製品の技術情報を公開して、事業の構成要素をモジュール化(標準化、規格化して外注可能にする)して、効率の高い外部企業を活用する戦略です。一方、クローズド戦略は、技術情報を自社内に秘匿して、開発、生産、販売まで自社の内部組織で行う戦略です。
 しかし、この二つはともに極端な理念型であり、実際には技術情報を完全にオープンにしている企業は存在しないし、事業すべてを内部組織で行っている企業もありません。実際の企業は、この二つの戦略をミックスして使っています。つまり、一部の部品や工程は技術情報をオープンにして外部企業を活用しますが、中核的な部品や工程については技術情報を秘匿して、技術的競争力をできる限り保持しようとします。
 要するに、技術と競争環境が変化する中で、どういうふうにこの二つの戦略をミックスさせるかが各企業に問われているわけです。



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