第13回 京都市バスの売上向上策
今日のディスカッションのテーマは京都市バスの売上向上策でした。最後に示された解答は、これまで勉強した分析手法を駆使した多面的なものでしたが、ディスカッション自体では資料が配布されなかったこともあり、クリアな結論はでませんでした。このような結果となった原因は、問題設定そのものにもあります。公営交通事業を含む運輸事業は、規制産業です。また公営交通事業は、営利目的が主の民営事業とは異なり、公的な役割を持っていて、公的補助を受けています。その結果、経営戦略は、企業が自由に決定し実行できるものではなく、多くの制約を受け、また許認可などさまざまな調整プロセスをへて決定されます。
逆に言えば公営交通事業の売上不振は、経営主体である京都市バスの責任も少しはあるでしょうが、政府や京都市当局の交通政策や都市政策の責任による部分が大きいと思います。交通政策や都市政策の不備により、タクシーも含めて日本の都市交通事業は、一企業の努力ではどうしようもないところまで追い込まれているというのが現実だと思います。
コトラーの本は、規制分野が少ないアメリカを対象として書かれているので、規制への対処については少ししかでてきません。



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