【7】ROE分析
企業分析の素材として今日取り上げられたのは、携帯電話会社とビールメーカーでした。両方とも近年、急速な技術変化が進行している業界であり、数社の間でのシェア争いが激しい業界でもあります。
携帯電話事業は、まだ利益の出る価格水準が保たれていますが、ADSLなどのサービスではソフトバンクが展開した低価格戦略により、利益の出ない状況となりました。ソフトバンクの低利益率はこのことを反映しています。
ビール事業の方では、発泡酒や第3のビールが開発され、需要はそちらにシフトする傾向が続いています。このように技術と需要の構造変化が進行する状況下では、安定重視の財務戦略よりは、リスクをとる財務戦略が、よりよい結果を生む可能性が高いようです。今日、紹介されたキリンビールの1998年の戦略転換は成功した好例でしょう。
また、最後に指摘された、日本企業と欧米企業との間にあるROE格差、ROA格差も重要なテーマです。様々な要因が絡んでいますので、今後も様々な視点から考えてみましょう。



京都大学経済学部宇仁ゼミホームページにて更に多くの記事を読むことができます
http://uniseminar.sakura.ne.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
http://uniseminar.sakura.ne.jp/modules/sections/index.php?op=viewarticle&artid=84