【13】ワコールの財務諸表分析
ワコールも京都企業のひとつですが、先週の報告にもとづくと、非多角化を持ち味とするようです。となると、やはり既存事業分野である女性用高級インナーウェアをメインとして、停滞する国内市場を、海外展開で補うことが将来の最大の課題でしょう。その意味では、海外展開を分析したソンさんの報告が興味深かったです。また、最後のトリンプの例は、ドイツ企業の日本進出のケースととらえることもできます。ドイツ企業のトリンプが、日本法人の経営を日本人の社長にほぼまかせましたが、ワコールは、同じようなことを海外で行ったでしょうか。一般的には、ヨーロッパ企業は現地法人の経営を現地スタッフに委任する傾向が強く、日本企業はそれが弱い(日本本社が細かくコントロールする、あるいは日本人の社長を本社から派遣する)と言われています。
最後に、今年度前期全体の感想ですが、財務諸表分析という分析方法、テクニックの学習と応用という軸を設定したことは、たいへんよかったと思います。これまでゼミでは、分析テーマが軸となっていましたが、今回採用した分析方法という軸も、おもしろいと思いました。
また、みなさん、財務基盤の理解と習熟のスピードが速いのには驚きました。



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