第2回 京阪電鉄の多角化戦略
今回は京阪電鉄の多角化がディスカッションのテーマでした。沿線人口の停滞やJRとの競争激化は本業である鉄道事業の収益を圧迫しています。JRが民営化以降、度をすぎた効率化を行ったことが、JRと競合する他社の鉄道事業の収益性を大きく低下させました。ちなみに尼崎脱線事故はJR西日本の行き過ぎた効率化がひとつの要因であるとわたしは考えています。
また鉄道会社の伝統的な多角化事業である不動産事業やデパート事業も近年は構造的な不況業種です。産業そのものが低迷している中では1社でがんばっても限界があります。ゼミでも話したように、鉄道各社は成長産業である情報通信分野への参入を多角化戦略として重視しています。JRグループは日本テレコムやJフォンという形で一時は通信事業分野で成功しましたが、結局ボーダフォンへの株式売却という形で手を引いてしまいました。私鉄はケーブルテレビ事業を重視しています。関東では東急が有名ですし、関西では京阪や近鉄が力を入れています。日本のケーブルテレビ事業は欧米と比べるとコンテンツがまだ不足していますが、コンテンツが充実していくと今後大きな発展が見込めると思います。



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