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第十一回 KM 

【発表者】 

◇要旨◇
ナレッジマネジメントとは、SECIモデルを通じて、個人の暗黙知を組織全体で共有し、同時に個人のそれをより高めることで業績につなげようとする経営手法のことである。KMは日本語では「知識管理」と「知識経営」の二通りに訳され、活用方法や目的に違いがある。そこでそれぞれのケースを分析し、KMの現状と課題、展望について発表した。

 ―エーザイのKM―
知識管理のKMについて、個人の暗黙知を収集して組織として活用するにあたっての課題とそれに対する解決法を中心にエーザイのケースで説明した。知識管理では、質の高い知識のインフラを構築し、社員がそれを積極的に活用する動機づけをおこなうことが必要である。

 ―キューピーのKM―
知識経営のKM。知識管理のKMを長く実践してきたキューピーが、知識管理をより有効に活用するために企業風土や文化の改革を目的として導入した知識経営を説明した。これからわかることは、知識管理を突き詰めるには知識経営が必要であり、知識経営の結果として知識管理をいっそう様々な経営シーンに活用できるということである。

 ―KMの課題と今後の展望―
現在、KMを導入している企業は非常に少ないが、その理由とその解決の方向性を提示した。ネットワークの充実とともに社会的に形式知が容易に手に入るようになり、今まで以上に組織として戦略的に知識を管理、活用していく必要が生まれているといえるだろう。


  発表資料 ―― 発表スライド : 導入 事例研究(エーザイ) 事例研究(キューピー) 課題と今後の展望
  補足資料 ―― KMの定義(予習)

◇ディスカッション◇
「KMを成功させるためにはどのような方策が必要か。」

  復習資料 ――


◇教授より◇
SECIモデルをベースにして、たいへん首尾一貫した説明が行われたと思います。SECIモデルの上半分(共同化と表出化)、つまり熟練労働者が持っている暗黙知を、明示的なマニュアルにすることは、生産効率を高める手法として100年ほど前から行われてきたことです。「実行と構想の分離」とも呼ばれます。熟練労働者の抵抗もあり、このプロセスもたいへん困難をともないました。現在のKMの困難の大部分は、SECIモデルの下半分(連結化と内面化)にあると思います。要するに労働者の技能や知識を高めるということですが、それには、上半分のプロセスよりもはるかに多くの時間とコストがともない、また現場の労働者のやる気も不可欠です。KMをさらに普及させるためには、このような問題を乗り越える必要があるでしょう。



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