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第十二回 SCM 

【発表者】 今井・遠澤・八丁・新井

◇要旨◇
事業活動の川上から川下までを総合的に管理することがSCMであるが、その手法・目的は各企業で様々な形態があり、その具体的な定義付けは難しい。そこで、今回の発表では、実際に、DELL、ユニクロ、セブンイレブンを取り上げ、これらの企業の中身をのぞいてみた。
今回、前期最後のゼミのテーマとして、SCMを扱った。SCMの発表を作り上げるにあたり、最後まで悩んだのは、SCMの適用範囲があまりにも広く、論点を絞るのが困難な点であった。そこで、今回の発表では、企業を絞り、その企業のSCMを見ることにした。
まず、SCMの典型的な事例としてパソコンメーカーのDELLのモデルを取り上げ、後発の企業でありながらいかにしてSCMを導入して効率のよい経済活動を実現し、世界最大の規模に成長したのかを失敗の教訓などをふまえて考察した。次に取り上げたのはユニクロである。ユニクロの成長要因は、自社完結型のサプライチェーン・システムを構築したことである。これによって、クイックレスポンスが可能に、そして流通コストの削減により価格破壊に成功した。そして、セブンイレブン。コンビニ業界は、ユニクロやDELLのように、製造と販売の間の卸を省くようなことはできない点で、上記2つの企業と異なる。セブンイレブンの物流革命は、創業以来頑なに守り続けるドミナント(高密度多店舗出店)方式のもとで、従来のメーカー主導の問屋制から小売であるセブンイレブン主導の窓口問屋制へと移行させることから始まっている。集配システムから共同配送システムへと、現状に満足せず時代の移り変わりと共に常に最適な物流システムを追い求め、収益に最も影響する物流コストを抑えることに成功してきたのである。これらを最適化するために、セブンイレブンは情報システムを、商品・物流・店舗の各個別戦略を有機的に結合させるツールとして利用している。個別戦略間のシナジー効果により、セブンイレブンの組織運営効率はきわめて高くなっている。
これらの発表前の打ち合わせにおいても散見できたことであるが、SCMは、ゼミで今期扱ってきたテーマが深く関係していることが見え隠れしている。そういった意味で、SCMは前期の総まとめ的な内容ともなりえろう。


  発表資料 ―― SCM事例 :  DELL ユニクロ セブンイレブン
  補足資料 ―― SCMの定義(予習)

◇ディスカッション◇


  復習資料 ―― ディスカッション考察


◇教授より◇
前期の最終回にふさわしい、深く考えられた報告だったと思います。「予習原稿」に書かれているように、「需要動向の変化の激しい産業」においてSCMは大きな効果を発揮するようです。また、報告されたすべてのケースに共通することですが、かつて上流から下流に流れるだけの情報の流れを変えることがSCMの核心をなしています。その点で、「予習原稿」で書かれている通り、「SCMは、業務プロセス、IT、CRM、JIT、KMなどの組み合わせである」といえます。
ゼミの最後に話したことですが、前期全体の感想を以下に記しておきます。前期は、とくに二回生の知識を豊かにすること、および自分で考える訓練をすることを目標として、一連のテーマが設定されました。この目標がどれだけ達成されたかは、みなさん自身が評価することですが、すべての報告を聞いたわたしは、回をおうごとに二回生の報告が立派なものになっていくのを実感しました。すべてのゼミ生のみなさん、ご苦労さまでした。とくに前期の企画をたて、班をリードした四回生のみなさんと、ゼミ長としてリーダーシップを発揮するとともに、このホームページの作成と更新作業を担った池澤君に感謝します。



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