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第5回 M&A

 今日の報告とディスカッションは、その構成と内容とも大変充実していました。「企業価値の向上のツールとしてM&Aが有効であるとは一概には言えない」というまとめも、妥当な結論だと思います。最初の概要の説明もよくまとまっていましたし、米国のM&Aの歴史の説明も、現在の日本の状況の説明にうまく活かされていました。ディスカッションの素材として採り上げられた最近約10年間の世界自動車業界の成功と失敗の諸事例によって、上記の結論は実証されているとも思いました。
 株式の買収によって、形式的な経営支配権を獲得することはできますが、実質的な企業のコントロールは形式的な支配権だけで行われているのではありません。経営者と従業員、顧客、取引先などとの良好な協力関係は、長期のコミュニケーションを通じて築かれるものです。そしてその結果として各企業は、それぞれ独特な文化、個性、体質といったものを持ち、それは簡単には変わらないし、合併したからといって簡単に融合するものではありません。むしろ派閥争いなどが発生し、マイナス効果を生み出すこともありえます。
 M&Aからシナジー効果をつくりだすには、数多くのハードルを乗り越える必要があり、それなりの時間がかかり、途中で失敗する確率もかなりあるということでしょう。
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