| 第四回 組織構造・ガバナンス 【発表者】 遠澤・八丁・新井・岡野 ◇要旨◇ 日本企業の組織構造の歴史的変遷を軸に大きく戦前と戦後（高度成長期・バブル期・平成不況期）に分け分析をすることで、大きな構造変化の流れを考えた。結果、以下のように日本企業の過去の体制、近年の変遷、将来進んでいく方向について考察した ―組織構造の定義と歴史― 組織構造の定義は「各要素(企業・個人など)が一体となって特定目標の達成を目指す」とする。その上で、財閥を中心とした日本の組織構造の時系列変化は以下である。財閥成立以前には未確立だった管理体制が、財閥成立によって持株会社をトップとしたピラミッド型構造を取るに至った。解体後も多少の形式の変化はあれども、一定の管理体制は残ったまま現在に至る。 ―バブル経済とその崩壊― １９８５年のプラザ合意から、日本は円高不況に陥った。この対策として、日銀は低金利政策を行ったが、景気回復後もこの低金利政策を続けたため、余剰資金が生まれた。結果、この余剰資金がが株や土地などの資産の購入にあてられたため、資産価値が急騰した。(＝バブル)しかし、１９９１年頃から地価、株価が暴落した。(＝バブル崩壊)これにともない、企業の倒産やリストラ、金融機関の破綻が相次いだ。 ―日本の企業体制― 企業の経済的な発展の基礎として、戦略的コントロール・組織統合・資金的裏付けという革新企業の社会的諸条件が考えられる（W.Lazonick）。日本の企業体制においては、安定的株式保有・終身雇用・メインバンク融資という三つ組制度が各々対応しているが、バブル崩壊以降、制度の基礎である安定的株式保有構造の変化に応じて、制度を維持する企業と市場依存度を高め制度の変革に傾く企業との分化が進んでいる。 ―コーポレートガバナンス― コーポレートガバナンスの定義は、「株主利益確保のために、経営をチェックする機能の有効性」である。具体的には以下の３つのモデルがある。 �‥租�的モデル �∪�練された株主価値モデル ��ステークホルダーモデル アメリカでは�，發靴�は�◆▲疋ぅ弔廊�が主流である。日本も慣行上、��が主流だが、ドイツのような法的介入はあまり見られない。よって今後違うモデルに移行する可能性は高いといえる。ガバナンスは業績に深く関係するため、株主重視、ステークホルダらとの関係重視などの選択は重要である。 発表資料 ―― 発表スライド ： 日本のバブル 日本企業の組織構(歴史) 日本型企業体制 コーポレートガバナンス 補足資料 ―― 日本企業の組織構造について 六大企業集団における財閥と銀行の比較 ◇ディスカッション◇ 「発表内における３つのコーポレートガバナンスモデルにおいて、現在日本企業は��ステークホルダーモデルが主流であるが、果たしてこの先殿も出るが理想的であるか。」 復習資料 ― まとめ(発表＆ディスカッション) ◇教授より◇ 最初の報告「組織構造とその歴史」で述べられたように、戦前の財閥が株式会社制を採用 したのは、株式市場からの資金調達のためではなく、有限責任というメリットを利用する ためでした。戦後の財閥解体後も、企業間の株式持合いが進み、株式市場とその制度は、 量的にも質的にも未成熟な状態が続きました。二番目の報告「日本のバブルとその崩壊」 で説明されたように、80年代のエクイティファイナンスがバブルにつながった原因のひと つとして、株式市場と制度の未成熟という点もあげられます。「金融の不安定性」と呼ば れますが、株価も銀行貸出も、好況期には累積的に増加し、不況期には累積的に減少する 性質を持ちます。金融機関の経営監督制度、企業情報公開制度、会計監査制度などは、こ の不安定性を抑制するための制度です。3番目の報告で示されたように、今後、持合い株 式の比率が低下し、株式市場の役割が高まることは間違いないでしょう。しかし、日本の 株式市場の制度整備をもっと進めなければ、株主はコーポレートガバナンスに貢献するこ とはできないでしょう。証券会社に就職する人はがんばってください。最後に配布された 資料「日本企業の組織構造について」もたいへんよくまとまっています。ぜひITの影響に ついての報告の参考にしてください。
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