京都大学経済学部宇仁ゼミホームページ  
メインメニュー

検索

ログイン
ユーザ名:

パスワード:


パスワード紛失

新規登録

第6回 ディスカッション ゆうちょ銀行と地方銀行の今後

海外出張でしたので、ディスカッションの模様はわかりませんが、石川君と岡野君のプレゼン資料は読ませていただきました。両方ともたいへん興味深いテーマを、丹念に分析していておもしろいと思いました。
石川君の資料で書かれていないことで重要なことは、郵便貯金と政府財政投融資との関係です。従来は郵便局が郵便貯金で集めた膨大な資金は、ダイレクトに財政投融資に流れていました(ちなみに財政投融資には、天下り官僚の受け入れ先である財団法人へのかなり無駄の多い不効率な融資が多く含まれています)。民営化によって、この流れは、資本市場を媒介する形式に変わりましたが、実質的な流れはあまり変わってないと思います。郵政公社から民間企業への貸出というルートが閉ざされているからです。
なぜ、このルートが閉ざされているかというと、岡野君の資料に書かれているように、民間企業への貸出総額は、企業側の需要で決まるからです。需要総量が限られているなかで、郵政公社が企業向け貸出市場に参入すると、既存の金融機関の顧客を奪うことにしかなりません。たぶん地方銀行や信用組合などの多くは経営が成り立たなくなるでしょう。また、財政投融資の資金源が細ることにもなるので、政府にとっても都合が悪いことです。また貸出業務を行うためには企業経営の審査能力が必要ですが、今の郵政公社にそれがあるとは思えません。
というわけで、私見では、郵政公社の企業向け貸出市場への参入は、当分ありえないと思います。もしあったとしても極めて限定的なものにとどまるでしょう。
メインに戻る メインに戻る
[ 07'後期活動報告へ戻る | メインに戻る | 印刷用ページ]