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第五回 業務プロセス 

【発表者】 

◇要旨◇
今回のテーマは「日本における業務プロセスの特徴」であったので、 業務プロセスを、開発・生産・物流・販売の4つのプロセスにわけ、 それぞれにおける日本の特徴とその背景について考察した。

 1.開発プロセス
開発プロセスの種類は、「直列式開発プロセス=PPP」と「並列式開発プロセス= CE」に大きく分かれる。 「直列式開発プロセス=PPP」では各工程において人・業務が明確に分かれているのに対し、「並列式開発プロセス=CE」ではそれがあいまいな形で並列的に進められる。 自動車工業のプロセスで海外と日本を比較するとドイツ・GM=直列、欧米=混合、日本 =並列といえる。 これは日本と海外の雇用・企業内教育形態の違いによるものがあるのではないかと考えら れた。

 2.生産プロセス
生産プロセスといっても一次・二次・三次産業における生産プロセスはそれぞれ異なる。 主に製造業の生産プロセスについて考えると、日本と海外では賃金・スキル・意思決定などにおいて異なる点があった。 日本で提唱された生産プロセスの一つとしての「セル生産方式」は、一人屋台的方式と呼ばれるものであり、「多品種生産に有効」「在庫圧縮」「生産ボ リュームの変動適応力」「士気の向上」といった利点があげられる。

 3.物流プロセス
物流(JIC)=物理的に移動する過程、ロジスティクス=物流の円滑化のための管理で ある。 日本における物流戦略を食品業界と電気機器業界について考えると、販売ルートの多角化であったり、家電リサイクル法に対する対応であるなど、「新業界の小売業の拡大」や 「電子商取引」、「リサイクル法」など日本産業界における物流の動向があげられた。 物流戦略にも「ロジスティクス経営」や「SCM」といった先進モデルが取り入れ始めており、サントリーの「週次の業務サイクル」→在庫削減と「統合配車システム」→物流の コストダウンなどがあげられる。

 4.販売プロレス
日本と海外における「ディーラー」の存在について比較しながら考察した。 日本における新車販売は「排他的メーカー系列販売」「テリトリー制」といった特徴が あった。 この歴史的背景として、「他社製品取り扱い禁止条例」「メーカーによるディーラーへの出資」「日本における大量需要の時代の営業所拡大」「アメリカにおけるディーラー規模 の小規模維持」などがあげられる。


  発表資料 ―― 発表スライド : 開発プロセス〜自動車産業における比較〜 生産プロセス
                      物流・ロジスティクス 自動車産業における販売

◇ディスカッション◇
「オープン制が広がる理由について資料を参考にして考えよ。」

右の資料をを参考にせよ。     どうしてオープン価格制が広まってきているのか


◇教授より◇
販売、物流、生産、開発のどのプロセスをとっても、世界共通ではなく、いくつかのタイプが存在していることが、明らかにされました。開発プロセスの説明では、開発プロセスの3つのタイプが、技能訓練システムや教育システムの国による違いと関連があることも説明されました。日本企業は、それぞれ独自の特徴をもつ販売方式、物流方式、生産方式、開発方式を組み合わせることによって、国際市場における日本製品の競争優位を実現しています。今回は、一応、販売、物流、生産、開発の各プロセスを切り離して、日本の特徴が説明されました。おそらく、今後、報告テーマとして取り上げられるJITやSCMにおいては、これらの各プロセスの結びつきに関しても、明らかにされるだろうと期待しています。



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