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第6回 ブランド戦略

 今日はブランドがテーマでしたが、現代の消費行動についてかなり詳しい報告が行われました。陳さんの報告で説明されたように、ブランドは当該商品に固有の属性だけにもとづくものではありません。ブランドは社会において多くの人が共有する価値や文化に結びついています。つまり消費行動は自分を満足させるためだけに行われるのではなくて、社会の他の構成員も意識して行われます。有名人の消費行動を模倣したり、周りの人々に見せるために消費したりします。このような人間の特性がブランドを成立させる根拠となっています。
 辻村さんと露口さんの報告では、時間を通じた消費パターンの変化が扱われました。時間とともに経済は成長し、技術は進歩し、所得も上昇していくので、消費される商品やサービスも変化します。一部には全く変化しない商品に付随するブランドもありますが、大部分のブランドは、時間を通じた商品変化の中で、生産者側の様々な工夫によって維持されています。ライン拡張や階層化(ブランド拡張)はひとつの工夫です。このような生産者側の工夫が、消費者側のニーズの変化とマッチすれば、そのブランドは繁栄し、マッチしなければ衰退します。
 露口さんの報告で取り上げられたプレミアム・ビールとポルシェのケースは、生産者側の工夫と消費者側のニーズの変化とがマッチした好例でしょう。
 ディスカッションのテーマとして取り上げられたトヨタの3年買取制度は、やや姑息なユーザー囲い込みで、ブランド戦略とは言い難いような気がします。

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