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第12回 M&A

今日の報告は三つとも、よく調べられていて、わたしも勉強になりました。渡部君の報告では、通常、敵対的買収が自由に行われていると思われているアメリカやイギリスでも、買収防衛ルールがきちんと整備されているという指摘が重要です。各企業は、それぞれ特有の目的を持っており、その目的に貢献するファンドとそうでないファンドとにたいして、区別して対応する権利は、当然認められるべきものであす。今後、日本でも英米並にきちんと法制化されるべきです。
金谷君の報告した王子製紙と北越製紙のケースでも、もしアメリカあるいはイギリス並の法制度が日本に存在したなら、あのような両者が消耗する展開とはならなかったと思います。
冨田君が報告した企業価値の問題は、非常に重要な問題です。社会経済学1の授業では、ファンダメンタル価格と投機価格の違いとしてわたしは教えます。ファンダメンタル価格は、現在価値化した将来収益の累計です。大部分の経営者は、多くの情報によってその値をかなりの程度推測でき、当然これを意識した長期的視野にもとづく経営をしています。ところが投資家は、経営者と比較して情報が足りず、ファンダメンタル価格を正確に知ることができません。短期の部分的情報しか得られない状況では、短期のキャピタルゲインだけを狙う投資家が出てくるのは当然の帰結です。
したがって、そのような投資家とそうでない投資家にたいして、別の対応をする権利は、当然、企業に認められるべきだということになります。
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