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第七回 CRM 

【発表者】 前川・石尾・奥田・富田

◇要旨◇
CRMを行うには情報処理技術が不可欠であるという観点から、CRMはITの発展に伴い進化・発展してきたと考え、CRMが時代の変化に伴いどのように変化してきたかについて考察した。なお本発表では、データベースなどの導入による情報流出のリスクに一切触れていなかったことを付け加えておく。

 ―顧客個別対応のCRM―
顧客個別対応のCRMは、顧客個人の情報から、その顧客に最適なものを提案するというCRMで、ITによる情報化社会の到来に伴い、顧客への個別対応高度化の目的で生まれてきた。特徴としては、インターネットショッピング業界のような顧客情報収集コストの低い企業で現在も採用されているが、業種によってはすべての顧客に同一の手法をとるため効率的ではない、個々の顧客情報の収集が難しい業種では用いることができない、などの問題点を孕んでいることが挙げられる。

 ―顧客分析のCRM―
顧客分析のCRMは、優良顧客の差別化による効率的なCRMの実行を目的に、顧客を分析・セグメント化することで行われる。このCRMでは、顧客をセグメント化することで、セグメントごとに施策を行うことで効率化を図っている。前述の顧客個別対応のCRMと比較すると、コストと効率を重視し、費用対効果を考えた経営的に合理的な手法といえよう。その特徴としては、顧客の維持コストが高く顧客による利幅が大きい業種に適していることなどが挙げられる。

 ―顧客チャネル統合のCRM―
顧客チャネル統合のCRMは、これまでのCRMの「顧客との関係をマネジメントする」という考え方から発展した、「顧客との関係を中心に自社のプロセスをマネジメントする」という考え方のCRMである。具体的には、顧客満足や効率化のために行う、事業構造の変革やシステムの新たな構築などを指す。このCRMは、企業を全社的に変革することが必要であるため、ITの導入と同様に社員への教育や啓蒙が成功への鍵となる。また、問題点として、業務プロセス変革によるコスト面のリスクや、全社的導入による失敗時の企業に与える影響が大きいことなどが考えられる。

 ―まとめ―
1990年代には、CRMはマーケティング手法として「顧客と企業の関係強化」に用いられたのに対し、最近では、「さらなる顧客満足・効率化実現のための企業改革」という経営戦略の一手段として用いられるようになってきている。


  発表資料 ―― 発表スライド : CRMイントロ 顧客個別対応のCRM 顧客分析のCRM 顧客チャネル統合のCRM
  補足資料 ―― CRMの定義(予習) 自治体のCRMについて

◇ディスカッション◇
「自治体におけるCRMの効率的な導入のための施策を考えよ。」

  復習資料 ――


◇教授より◇
時間軸を入れて、IT技術の進歩に応じて、CRMが高度化するプロセスを順を追って説明したのがよかったと思いました。顧客情報の利用方法が高度になると、当然、顧客の個人情報保護との関係が際どいものになっていきます。自治体のCRMに関するディスカッションを通じて、この点が明らかになったこともよかったと思いました。自治体には、収入や資産をはじめ、職業、家族構成、医療費など多くの情報が集積されています。もし市役所の一職員がこれらすべての情報を一覧できることになったとすれば、プライバシーは大きく侵害されるでしょう。ゼミの最後に配布された池澤・飯原君の「松下の中村改革」に関するレポートは、文章化すれば卒論になるほどのたいへん充実した内容のものです。ぜひ熟読してほしいと思います。

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